mizuchi_sanの日記

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LAW&ORDER15-4 死のダイビング

ピーター・ジェンローという19歳のアトランティックイースタンの学生が、学生寮の12階の自室から転落死した。落下地点が建物から離れているといった現場状況から、事故の可能性は考えられない。グリーン刑事とフォンタナ刑事は、彼が飛び降り自殺をしたか、何者かに突き落とされた可能性を考えた。

自室には「250」「500」といった数字や日付が記録されたノートが残されていた。また、エアコンの上に何かが置かれていたようだが、何者かが持ち去ったらしい。強盗殺人の可能性が浮上した。

ピーターの母親からも話を聞いたが、自殺の可能性は強く否定された。

 

 

↓ 結末まで続きます。

 

 

2人はワシントン・パーク・スクエアで、ピーターのルームメイトであるテリーと話をした。彼女のカレン・コールマンと一緒だったというので連絡先を聞いた。ピーターとは特に親しくもなかったので、部屋から何かが無くなったかどうかは分からないとのこと。また、イーストビレッジで1人暮らしをすると言っていたそう。タイムカフェという店でアルバイトをしていたという情報を入手するが、店主に確認に行くと、4~5ヵ月前に急に辞めたとのこと。

家賃の高い地域で1人暮らしをするというのに仕事を辞めているということは、金の出どころはどこなのだろうか。

 

ロジャース博士の元へ検視報告を聞きに行くグリーン刑事とフォンタナ刑事。ピーターの体内からは酒もドラッグも検出されなかった。学生課の話から精神科の受診歴はないものの、何か悩みを抱えていた可能性があるという。損傷の激しい遺体を調べてみても、自殺未遂の痕跡は見られなかった。

グリーン刑事は自殺説に否定的。謎のノートの数字は大金を記しているのではないかと推測。サッカー仲間から話を聞いたところ、ピーターは真面目な性格なので怪しい仕事の類はしていないだろうとのこと。口座はすっからかんだが、テリーの彼女であるカレンの小切手を持っていたそうだ。

カレンは彼氏と寮の部屋で2人きりになる為にホテル代として200~300ドル出したと話した。何か隠しているようだがそれ以上は話そうとせず、父の弁護士を呼ぶからと言って家に入ってしまった。

 

ヴァン・ビューレン警部補が受け取った部屋の通話記録によると、ピーターが転落した直後に誰かがカレンに電話していることが分かった。そしてカレンは、マンハッタンの麻薬班にマークされているという事実も判明。どうやら学生寮で危険なドラッグを売り捌いていたようだ。しかし、グループ単位ではなく単体で売人をしていた模様。

彼氏のテリーを警察署に呼び出したところ、トイレに行っている間にピーターが転落していたこと、慌ててカレンに電話をしてエアコンの上に隠してあった自分のマリファナを持って逃げ出したことを白状した。ピーターの金については、カレンの課題代行の報酬か、何かのリサーチの仕事の報酬ではとのこと。

そこで警部補から一報。アトランティックイースタンの学生アリシア・キャメロンが、寮の18階から自ら飛び降りるという事件が発生。

アリシアも数字や日付の書かれたノートを持っていたが、ピーターとは面識がないそうだ。アリシアの両親の話では、彼女は大学で医者のリサーチの仕事を手伝っていたという。

大学に確認に行くと、それはどうやら大学の関連機関のリサーチの仕事らしかった。そして最近、ステファニー・ローソンとキャロリン・マレロという2人の学生が自殺未遂を起こしていたとの話を聞き出した。グリーン刑事が廊下の掲示板の治験のチラシを見つける。報酬は週給150ドル。

 

医療機関へ赴いたところ、待合室の学生が持っていたノートに気付く。ピーターやアリシアのノートとそっくりな内容だ。謎の数字の正体は「薬を飲んだ量(mg)」のことであった。

治験の薬はルメダピンといううつ病の薬。OCDの治療にも有効かどうかの治験なのだという。その量は通常使用の2~4倍で、治験者にはメンタルの過去歴がないものが選ばれていた。ピーター、アリシア、自殺未遂をしたステファニーとキャロリンの合わせて4人とも、過去~現在に治験者であった。

治験を行っていたトゥーミー医師から話を聞く。自殺との関係については、契約しているバーデン製薬が調査中であるとのこと。また、トゥーミー医師の立場では、脱毛と疲労以外の副作用については報告などの義務は無いのでどうしようもなかったのだという。

刑事たちはサウザリン検事補に事の次第を説明。トゥーミー医師が医者として治験者の重大な副作用を見て見ぬふりをしていたことを証明できれば、過失致死で4年の懲役刑を科せられるそうだ。

自殺未遂をしたキャロリンを含む学生の母親たちから苦情を受けていたという研修生に話を聞いたところ、学生たち治験者の不調の記録は残すなと言われていたのだそう。それはバーデン製薬との契約を守る為だった。重大な副作用である自殺の兆候を意図的に無視したということで、刑事たちはトゥーミー医師を逮捕した。

 

トゥーミー医師の弁護人は、ルメダピンの危険性は論文でも認められていないので過失としては認められないだろうと主張。しかしながら、その論文を書いた開業医学会はバーデン製薬支持者の集まりのようなもので、内容の正確性については疑問の余地があった。サウザリン検事補は、バーデン製薬CEOのシーダーズ医師にトゥーミー医師起訴へ資料提供の協力を求めに行くが、断られてしまった。

弁護人は服役なしで罰金を支払うという取引を申し出たが、マッコイ検事は懲役4年と譲らなかった。弁護人はトゥーミー医師が第三者から強制されて、正確ではない治験結果を報告したのだとしたら…と持ち掛けた。

バーデン製薬から特定の副作用についてのみ調査・報告せよと。利益の為に自殺の原因である副作用をわざと見逃したのであれば、悪意ある殺人ということで第2級殺人に該当する。

 

サウザリン検事補が見つけたデンマーク語のルメダピンに関する文献を書いた教授から、ルメダピンの治験を行った際に睡眠過多・死の話題・落ち込み・自傷行為といった症状を見せた者が複数いたという証言を得ることができた。教授はルメダピンを250mg以上投与すると躁状態自傷行為の副作用が出ることを確認していた。しかしバーデン製薬はそれらの情報を非公開にし、問題の無かった1件分のみを情報として公開した。医師がルメダピンに関しての情報にアクセスしても、重大な副作用については知ることができないというわけだ。

治験者であった学生からも話を聞く。ルメダピンを服用後から気分の変調や被害妄想的な精神状態に陥るようになり、最終的に自殺未遂に至ったと。薬を断った後、気分は元に戻ったのだという。

 

公判にてシーダーズ医師はエピネフリンの例を挙げ、薬の開発に犠牲は付き物であることを主張。2人の死のような出来事は、どのような安全策をしても起こりうる。ルメダピンが他の病気にも効果的かもしれないので治験を続ける決定をしたのか、との質問に「そうだ」と答えた。

マッコイ検事がルメダピンに関するバーデン製薬の特許はいつまでかと質問した。シーダーズ医師は「来年の始め」だと答えた。期限が切れてしまうと、他の製薬会社がジェネリック薬品を出せるようになる為、他社に利益が流れて行ってしまう。だが他の病気に対する治験を行うことで、特許を延長しようとしていたようだ。弁護側が誤って提出していた特許延長に関する書類がその証拠である。しかしながら、その書類に関しては陪審に無視するようにと裁判長が命じることに。

 

陪審の審議は長引いていた。治験や治療薬の問題はとてもデリケートであるからだ。身内に疾患を抱える者がいればなおさらである。ブランチ地方検事は、バーデン製薬が治験で利益を得ていた事実を示すことはできたが、危うい状況であることを訴えた。マッコイ検事に司法取引をするよう命じた。

マッコイ検事は、バーデン製薬が過失を認めること・ルメダピンや今後開発する全ての新薬についての治験情報へ医師たちが自由にアクセスできることを条件として司法取引をすることを提案した。シーダーズ医師は拒否しようとするが、裁判長から結審によっては25年以上の懲役刑になりうることを強調され、承諾せざるを得なかった。125mg以上の投与が有害であるという結果について、シーダーズ医師に認めさせた。知っていた上で500mgまで増量できるようにしていたということも。

取引終了後、被害者救済の為の「伝手」に会いに行くというマッコイ検事。ブランチ検事長は、「被害者たちが十分な補償を受けられるようにしてくれよ」と一言。

 

 

 

出演俳優(抜粋)

トゥーミー医師:フィリップ・グッドウィン

「LAW&ORDER」では他のエピソードにも別役で出演。「ブラックリスト」のツィンマーシュタール役、イコライザーのモス教授役など。「ピンクパンサー」シリーズにはルナール役で出演。

シーダーズ医師:ペーター・シュトラウス

スピンオフの「LAW&ORDER:SVU」にも別役で出演。

ハリソン・テイラー裁判官:マイケル・マルヘレン

スピンオフの「LAW&ORER:SVU」「LAW&ORDER:陪審評決」にも同役で出演。「ホワイトカラー」「NCIS:ニューオーリンズ」「エレメンタリー」「ブラックリスト」などドラマへのゲスト出演多数。

 

 

メモ

治験絡みの事件。

掲示板に治験の張り紙が貼ってあって、連絡先を千切って持っていく描写は「クリミナルマインド」や「ビッグバン★セオリー」でも見かけました。