LAW&ORDER15-6 美の追求の果て
ノラ・ハケットという女性が、昨日チェックインしたばかりのホテルで死亡。貴重品は残っており、物盗りの線は無さそうだ。ルームサービスを2人分頼んでいた。身体中にある痣は、24時間以内に脂肪吸引を受けた痕跡だった。亡くなったのは昨夜18時~21時頃。現状では、術後の合併症・転倒・殺人による線が浮かんでいる。
↓ 結末まで続きます。
ノラはデメロールという薬を処方されており、アルビン・ローレンス医師のクリニックへ何度も電話をかけていた。関係者に話を聞くグリーン刑事とフォンタナ刑事。ノラはローレンス医師の紹介によりVIP扱いを受けていた。18時頃に、気取った話し方の男と口論をしていたという証言を得る。更に女性の来客もあったという。術後に何度も電話をかけていた件については、ノラがとても心配性の患者だったからとのこと。受付のアンジェラから、ノラの緊急連絡先として妹の電話番号を入手する。
ノラの妹のダーリーンがコネティカットにいるので会いに行く。術後の迎えはアシスタントが行ったという。ノラは「コリーヌ・キング」という名の小説家であり、ベストセラー作家であった。元夫とは不仲。ノラの代理人はケープタウン出身で、気取った話し方をする男だそう。
代理人クライブ・レイモンドのオフィスに赴く刑事たち。レイモンドは15時頃にノラの宿泊している部屋へ行き、新作について言い争いをしたという。18時半から別の打ち合わせの予定があったので、18時頃にはホテルを出た。遺産相続は妹のダーリーンがするということであった。
再びダーリーンに話を聞くと、ノラは手術を受ける度にホテルに宿泊していたという。レイモンドは数ヵ月前に代理人をクビになっていたそう。2500万ドルの1割の出版契約が絡んでいる仕事の最中にクビになっていた。署でレイモンドに話を聞くが、自分がホテルを出た時には、まだノラは生きていたと主張する。
検死にて詳しい死因が判明した。処方されていたデメロールという薬と、ナーディルという抗うつ剤による薬の相互作用が起こっていた。ナーディルは、他の薬と併用すると致命的な反応が起こることがある薬。ノラの場合では、手術の10日前にはナーディルの服用をやめるべきだった。ノラが問診で服用を知らせず、医師がナーディルを飲んでいたことを知らなかった場合はたんなる合併症死だが、知っていた上でデメロールを処方した場合は過失致死となる。
ローレンスのクリニックを再び訪ね、受付のアンジェラに、ノラの医療ファイルを見せてほしいと頼み込む。彼女が服用していた薬について、問診票を調べることに。古い資料だったはずが、何故かファイルの1番上にあった。やってきたローレンス医師に尋ねるが、ノラがナーディルを処方されていたことについては、何も聞いていなかったと答えた。
抗うつ剤であるナーディルを処方していたグラスマン医師のクリニックを訪ねる刑事たち。心配性のノラの性格であれば、問診時にナーディル服用のことを話していたはずで、問診票に記載が無いのは不自然。ナーディルと他の薬との合併症のリスクについても、ノラはしっかり理解していたそうだ。
そうなると、ローレンス医師が記録を改竄した可能性がある。クリニックから、ノラの医療記録を差し押さえた。書類の文字が一部消されていたが、分析官が復元をすると、「ナーディル」の文字が書かれていたことが判明した。
急にクリニックを辞めたアンジェラの連絡先を入手し、更に詳細な話を聞くことができた。ローレンス医師が書類を改竄しただろうと確信している。ノラは気分が悪いと電話をしてきたが、ローレンス医師はかけ直さなかったと。発見が早ければ、ノラは助かっていた可能性が高かった。
マッコイ検事は、民事で争う内容だとしたが、ロジャース医師の見解は、過失致死で刑事事件であるそうだ。マッコイ検事曰く、ローレンス医師に問える罪といえば、文書偽造ぐらいであるとのこと。しかし、もし過去にもミスを起こしていたら、刑事訴追をするとした。
ローレンス医師の元共同経営者に話を聞くことに。彼はよくリスクを冒し、必要のない手術もしていた。美容整形の手術を繰り返したノラに対し、手術を断ってメンタルクリニックを紹介したところ、彼女はローレンス医師のクリニックに移ってしまったという。
アスクレピオン保険会社の担当にも話を聞く。ローレンス医師の無理な手術のせいで出ていく金額の方が大きかったので、数年前に契約を解除したという。
実際に手術を受けた女性からも話を聞く。彼女は、2重あごの手術で脳卒中を起こしていた。持病について事前に話をしており、麻酔をすると合併症のリスクがあったが、手術中に呼吸管理をしっかり行っていなかった為、脳卒中を起こしたのだ。手術内容は衛生局の10項目に引っ掛かり、呼吸器の故障について、ローレンス医師は事前に知っていたようだとも判明した。
この争点は、不注意を超えた過失致死かであるか。過去に訴訟を起こされても反省していないローレンス医師。患者への責任を取らない不正な行為を許さないという姿勢を示すようにと強く指示するブランチ地方検事。ローレンス医師の逮捕は、マスコミを前にして派手に行われた。
裁判にてアンジェラの証言。術後、ノラから2回電話があり、ローレンス医師に内容を伝えたが、彼は電話をかけ直さなかったという。いつも手術後、ノラは2~3回は目眩や吐き気などの苦情の電話をかけてきていた。いつもはアスピリンを処方し、今回はデメロールを処方した。ノラはクレーマー気質であったと。
オリベット医師も、ノラの状態について証言をする。ノラの医療記録・家族・友人を調査したところ、彼女は身体醜形障害を患っていたようだった。美容外科医であれば、そういった障害を診断できていたはずである。普通はメンタルクリニックを勧めるはずだが、ローレンス医師は勧めることをしなかった。
ローレンス医師はあくまでも医療事故であると主張した。ノラはナーディルを服用していることを申告していなかった。問診票の改竄もしていない。患者を蔑ろになどしていないと。
マッコイ検事は、過去に別のクリニックで手術を受けていたノラに、5回も手術を施していた点を挙げた。明らかに病的であったノラを、なぜ、精神科医に診せなかったのかと。ローレンス医師は、自分が手術をすれば彼女を幸せにできると思っていたと答えた。では、なぜノラは抗うつ剤を飲んでいたのかとマッコイ検事に問われ、ローレンス医師は答えることができなかった。
ローレンス医師が1人でマッコイ検事を訪ねてくる。弁護人への不満を口にする。そして感情を昂らせ、患者には自分が必要である。なぜ自分がこんな目に合うのかと嘆く。それは自らが招いたことだと分からないのか?と呆れるマッコイ検事。
ローレンス医師は過失致死で有罪となった。
裁判後、長くて4年の実刑だろうと言うサウザリン検事補に対し、だが、医師としての人生は終わったとマッコイ検事。
出演俳優(抜粋)
アルビン・ローレンス医師:ブルース・アルトマン
美容整形手術で何度も問題を起こしている傲慢でいい加減な医師。
「LAW&ORDER」ではなんとシーズン1~シーズン19まで別役で7エピソードに出演している。シーズン1では第15~第16話に同役で2話連続出演している。その他「ブラックリスト」「スーツ」「モダン・ファミリー」「グッド・ワイフ」など多数の作品にゲスト出演している。
アンジェラ・グスマリーノ:ロクサンナ・ホープ・ラジャ
ローレンス医師のクリニックで受付を担当していた女性。
「LAW&ORDER」には、別役で2エピソード出演。「LAW&ORDER:クリミナルインテント」「LAW&ORDER:SVU」にもゲスト出演している。「ブラックリスト」「グッド・ワイフ」「エレメンタリー」などの作品にもゲスト出演している。
クライブ・レイモンド:マックス・ベイカー
ノラの代理人を務めていた男性で、気取った話し方をする。
「LAW&ORDER」シリーズでは「LAW&ORDER:組織犯罪」に1エピソード、「LAW&ORDER:SVU」には、コリン・ベネット博士役で4エピソードに出演している。その他「ブラックリスト」「フリンジ」などにゲスト出演。
メモ
美容整形手術を何度も繰り返している場合、精神疾患が原因となっている場合があるとはよく聞きます。
美容整形に興味を持った女性ということで、ローレンス医師のクリニックを訪ねたサウザリン検事補。リフトアップやら何やら色々提案されて、とどめに豊胸手術についての指摘。あんなに次々と欠点のようにあげつらわれれば、患者も果ての無い美の完璧を求め、のめり込んでいってしまうような。悪徳医師です。