mizuchi_sanの日記

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LAW&ORDER15-1 鮮血の十字架

半年前に廃業し空室になった法律事務所で女性の遺体が発見された。グリーン刑事は新しい相棒が来ないまま1人現場へ。被害者の遺体は真っすぐに寝かされているような状態だった。IDなど身元に繋がる持ち物は見当たらなかった。胸に血の十字架が書かれていたことから、宗教絡みの事件ではと推測した。

ヴァン・ビューレン警部補に、女性はビルの従業員ではないこと、ビルにはロビーにしか監視カメラが無かった上、人の出入りが激しく特定が難しいことを報告。そこへ新しい相棒であるジョー・フォンタナ刑事が現れ、2人と挨拶を交わした。

 

 

↓ 結末まで続きます。

 

 

ロジャース博士の検視結果では、女性はAM:10:00~12:00頃に窒息で死亡したとのこと。抵抗した形跡は無かったので、気を失った後に窒息させられたようだった。胸の十字架は豚の血で書かれていた。背中側右肩に「713」という数字。被害者の体内から黄熱病、天然痘コレラ菌が検出されたことから、それは従軍前の予防接種を意味しており、肩の数字は「713部隊」という意味だろうとフォンタナ刑事。

被害者リンゼイ・スターの上官の話では、彼女は「713部隊」に所属しイラクへ派遣され、現地では戦闘には参加せず駐屯していたとのことだった。

 

同居していた両親の話では、事件当日は恋人と会い街に出て夜間クルーズのチケットを受け取る予定だった。母親の話では、イラク派遣後から彼女の様子が変わったという。死亡時のリンゼイは白いブラウスを着ていたが、出かける時は黒いTシャツを着ていたという。どこかで着替えたのか、誰かが着せ替えたのか。

恋人のドニーからも話を聞いた。朝早くに来てチケットを取りに行く約束であったが、自分には予定があったのでリンゼイは1人で向かった。そのチケットとは、イラク帰還兵への無料パーティのものだったそう。帰還兵向けのそのようなパーティはよくあることなので、特定することは難しかった。

リンゼイが勤めていたトップシェルフ商店にて、彼女のロッカーから貸金庫の鍵を発見した。数ヵ月前から借りていたその金庫には、アブグレイブ刑務所で兵士や大尉が受刑者を拷問、虐待している写真が保管されていた。

署にてフォンタナ刑事が見せた「中世」という本に、戦死した十字軍騎士の埋葬姿の絵が載っていた。リンゼイの遺体と似たように横たえられており、胸に赤十字が書かれていた。この事件はアブグレイブ刑務所での行いに対するイスラム教徒の報復か、そう思わせて偽装した犯行なのではないかと推測した。

 

軍からアブグレイブ刑務所の囚人リストを貰い、カメルという囚人の兄に話を聞きに行った刑事たち。彼と同房であったムハンマドには、アメリカの石油会社「サフワン社」に勤める義兄がおり、そのおかげで釈放に至ったという話を聞くことができた。当のムハンマドは釈放後、自動車爆弾に巻き込まれ死亡していた。ムハンマドの義兄はジェフ・ハリントン。その妻ナディラはイラク人でムハンマドの姉であった。

彼女は事件当日、アトランティック街の店で料理用と称し豚の血を買っていた。ビルのロビーにある防犯カメラより、事件当日にナディラの姿が映っていることを確認した。取調室で話を聞き出そうとしたところ、彼女は突然、戦争捕虜としての待遇を要求しだした。

 

ナディラは罪状認否の場にて、自分はイスラムの戦士だと主張した。認否についてはとりあえず無罪として進めることに。サウザリン検事補は、これは憎悪犯罪であり再犯の危険があると訴えた。裁判長は参考の為にナディラの精神鑑定を命じた。結果は正常と出たので、弟のムハンマドの敵討ちでリンゼイを殺害したのだと考えるマッコイ検事たち検察側。

ナディラは弁護人をバーニー・アドラー弁護士に変更した。彼はマッコイ検事に、司法取引には応じないと答えた。

アドラージュネーブ条約を持ち出し、戦争中において兵士を罰することはできないと主張した。しかしブラッドリー判事は、リンゼイは事件当時は戦争とは関わっていない民間人だったこと、双方に敵意が無ければ戦争中であるとの主張は認められないと答えた。よってこの事件は司法の範疇であるとして、陪審による裁判を行うことを決定が下された。

弁護側が、弟が受けた屈辱的な行為に心を痛めたナディラの敵討ちとして、陪審の同情を引こうとするだろうと予測する検察側。

 

証人喚問にて軍側の主張。「713」部隊はアブグレイブ刑務所で尋問を行っていた。囚人を裸にしたり、女性用下着を被せるなども行っていたが、それも尋問を的確に、スムーズに進める為の戦略である。あくまで尋問であり拷問ではない。国民の命を守る為ならいくらでもそうすると述べた。

ナディラの夫ジェフも証人として出廷した。2人はアメリカで結婚した。ナディラにアメリカでの生活の不満は見られなかった。自国の情勢が心配になり、モスクに通い出すようになったという。実家近くを爆撃されたり、弟のムハンマドが刑務所に収容されたり、彼が釈放後に自動車爆弾で亡くなったことなど悲劇的なことが続いていた。姉弟の仲はとても良かったそうだ。

 

ナディラは弟のムハンマドから、アブグレイブ刑務所で受けた酷い仕打ちの数々を聞いたいた。裸にされたこと、女性兵士に服を裂かれたり、性器に触れられるなど、屈辱的なことをされていたのだそう。その女性兵士の名前を聞き出し、住所を調べた。帰還兵向けのパーティがあると嘘をついて呼び出したが、リンゼイがナディラの正体に気付くと逃げ出そうとした為、揉み合いになってしまった。落ちていたパイプで殴ったら死んでしまったと。

マッコイ検事は、ナディラがリンゼイ殺害の当日、豚の血を買っていたことや白いブラウスを着ていたことを挙げ、最初から殺す意志があったと主張した。パイプで殴られて気を失ったリンゼイを、窒息させて殺したのだと。

最終弁論にてマッコイ検事が語った。リンゼイは事件当時、兵士ではなくただの店員であり民間人であった。被告の行いは不当な殺人行為であると。ナディラに起きた不幸の数々は、弟の復讐の為に人を殺す理由にはならない。ナディラには選挙で投票したり、訴訟を起こしたり、活動家になるという選択肢もあったが、選んだのは「復讐」であった。最も気高い教訓は「汝、殺すなかれ」。現代社会にあっては、殺人はあくまで殺人であるのだと。

陪審は評決に達し、ナディラは第2級殺人で有罪に。裁判所の外で待ち構えていた大勢のマスコミに「真実と正義。アメリカ流の勝利だ」とブランチ地方検事は答えた。

 

 

出演俳優(抜粋)

ジョー・フォンタナ刑事:デニス・ファリーナ

「LAW&ORDER」初登場がこのシーズン15の第1話。エド・グリーン刑事の新しい相棒。高級スーツに身を包み、爪は手入れされて羽振りも良いイタリア系。今後46エピソードに出演。「スリー・リバーズ」では、ブルース・ウィリス演じる主人公の叔父を演じた。「ゲット・ショーティ」「プライベート・ライアン」「ベガスの恋に勝つルール」などの映画作品にも多数出演。2013年07月22日死去。

バーニー・アドラー弁護士:ロン・シルバー

「LAW&ORDER」「LAW&ORDER:陪審評決」で計3エピソードに同役で出演。「ホワイトハウス」「シカゴ・ホープ」などにもレギュラー出演。2009年死去。

ナディラ・ハリントン:サリタ・チョードリー

「LAW&ORDER:性犯罪特捜班」にも別役でゲスト出演。「ハンガー・ゲームレジスタンス」「ハンガー・ゲーム:レボリューション」の2作品では、スノー大統領の側近を演じていた。「HOMELAND」「ブラインド・スポット」などにも出演。

ウォルター・ブラッドリー裁判官:ピーター・マクロビー

「LAW&ORDER」「LAW&ORDER:性犯罪特捜班」「LAW&ORDER:陪審評決」にて同役で複数エピソードに出演。「LAW&ORDER:クリミナルインテント」には別役で出演。「ブラックリスト」「ホワイトカラー」「エレメンタリー」などにもゲスト出演。

 

 

メモ

フォンタナ刑事の初登場回。高級スーツ、整った爪、丸めた札束、イタリア系の伊達男。

ブラッドリー判事はシリーズでよく見る判事。

いつもの、サウザリン検事補の意見の対立。